中世哲学

中世哲学の特徴、注解、課題などを簡単に説明しています。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

中世哲学の議題 - 論理学

偉大な論理学史家ユゼフ・マリア・ボヘンスキー[48]は中世を論理学史における三つの重要な時代の一つとみなしている。中世の論理学は必ずしも哲学的考察と明確に分離されておらず、むしろ「言語哲学」と表現すべきだという意見が一般的であるという[49]。現…

中世哲学の議題 - 倫理学

中世倫理学の重要な発展の詳細に関しては、中世の良心の理論、実践理性、中世の自然法の理論の記事を参照。この分野の著述家としては、カンタベリーのアンセルムス、アウグスティヌス、ピエール・アベラール、ドゥンス・スコトゥス、ペトルス・ヒスパヌス、…

中世哲学の議題 - 心の哲学

中世の心の哲学はアリストテレスの『霊魂論』、いわば12世紀に西方ラテン世界に再紹介されたもう一つの作品に基づいている。心の哲学は自然哲学の一分野とみなされていた。この分野で議論された問題のうちのいくつか:・神の光 - 神の光の教義は古く、重要な…

中世哲学の議題 - 自然哲学

自然哲学および科学哲学の分野では、中世の哲学者たちは主にアリストテレスから影響を受けていた。しかしながら、14世紀からそれ以降は、自然哲学において数学的推論の利用が増加したことで、近世の科学の興隆の準備となった。重要な人物としてヘイツベリー…

中世哲学の議題 - 形而上学

12世紀半ばのアリストテレスの『形而上学』の再発見の後、多くのスコラ学者(特にトマス・アクィナスとドゥンス・スコトゥス)がこの作品に対する注釈書を著した。普遍論争はこの時代に関心を惹いた主な問題の一つである。他の主題は以下:・ヒュロモーフィズム…

中世哲学の議題 - 神学

中世哲学は神学的であるという特徴がある。この時代に議論され発展させられた主題は以下:・神の持つ性質の一致性の問題:物の持つ性質はどのようにして伝統的に超越論的な存在、例えば全能、全知、無限の善、時間を超えた存在に帰されるのか、そしてどのよう…

権威:それを迂回するための再解釈と文脈転換

中世の哲学者は権威が完全であることを望んだが、権威がより最近得られた知識や自分たちの考え方と合致しないという問題に直面した。中世哲学のテキストでそういう例は権威ある文書、例えば聖書やアリストテレスの引用にある。権威と、そして権威の間で一致…

中世哲学の注解

ここで述べる注解とは『エイサゴーゲー』のような独立して一冊の本にまとめられた注釈書のようなものではなく、教科書の欄外・行間にある余白に書き込まれるもののことである。そういった注解が書き込まれる理由は大きく分けて三つある。一つ目は生徒たちに…

中世哲学の特徴

中世哲学は特徴として「神学的」である。イブン・スィーナーやイブン・ルシュドは除外できようが、中世の思想家たちは誰も自分を哲学者とは思わなかった。彼らの関心領域も神学的であった。彼らにとって、哲学者とはプラトンやアリストテレスのような古代の…

中世哲学とは

中世哲学は中世、具体的には5世紀に西ローマ帝国が崩壊してから16世紀にルネサンスが起こるまでの時期の哲学のことである。論者により便宜的に、4世紀以前の教父学を含めて言うことがある。独立した哲学の研究の計画として理解される中世哲学は8世紀中ごろの…