中世哲学

中世哲学の特徴、注解、課題などを簡単に説明しています。

中世哲学の特徴

中世哲学は特徴として「神学的」である。イブン・スィーナーやイブン・ルシュドは除外できようが、中世の思想家たちは誰も自分を哲学者とは思わなかった。彼らの関心領域も神学的であった。彼らにとって、哲学者とはプラトンアリストテレスのような古代の異教の著述家のことであった[4]。しかしながら、中世の著述家たちの神学的研究は古代の哲学者の考えや論理的な技法を利用して難解な神学的問題や教義の要点に取り掛かった。トマス・アクィナスはペトルス・ダミアニに追従して哲学は神学の婢(「ancilla theologiae」)だと主張した[5]。
中世の哲学者たちの研究に通底する三つの原理として、「ratio」として知られる、真理を発見するために論理学、弁証術、分析を用いること、「auctoritas」、つまり特にアリストテレスやその他の権威ある古代の哲学者への識見への敬意、「concordia」、つまり哲学の識見と神学的な教え・啓示を調和させるという義務[6]がある。
この時期最もよく議論された話題の一つに信仰と理性の対立がある。イブン・スィーナーとイブン・ルシュドはどちらも理性の側に立って研究した。ヒッポのアウグスティヌスは自身の哲学的探求に神の権威の範囲を超えさせることは決してしないと述べた[7]。アンセルムスは彼が部分的に信仰への攻撃とみなしたものに対して、信仰と理性の両方を考慮に入れたアプローチによって信仰を擁護しようとした[8]。信仰/理性の問題にアウグスティヌスの出した結論は(1)信仰し、そして(2)理解しようとするということであった。

 

参照:Wikipedia中世哲学